虫かごで鳴くクルマバッタ

2024年9月16日

9月16日午前、利用者さんご家族がバッタ類を沢山捕ってきてくださりました。
図鑑を片手に種名調べをしていると、「ジジジジジ…」と聞き慣れない音が…
捕れたバッタの多くはクルマバッタ(Gastrimargus marmoratus)だったのですが、そのうちの3匹ほどが、後腿を擦り合わせて鳴いているのがはっきり聞こえます。コオロギやキリギリスなど、秋の鳴く虫の多くは翅同士を擦り合わせた音を膜に共鳴させて音を響かせるのですが、バッタは後脚を使って前翅を擦ります。鳴らす部位と方法が異なるため、やや地味な「地鳴き」の様相です。

鳴く目的はBIOME様の記事日本自然保護協会様のバッタ記事大日本図書「おおきくなあれ」等を参照する限り、他の虫たちと同じく異性への求愛のようです。一方、求愛で鳴く虫の多くがオスでありメスは鳴かないというケースが多い印象ですが、東京都レッドデータブックによると”♂♀ともに後腿節と前翅脈を擦り合わせて鳴く”とのこと。ショウリョウバッタやクルマバッタは、飛ぶ時の「キチキチ」音こそ知っていたものの、虫かごに捕まって大ピンチな状況でも鳴くというのは今まで見聞きしたことがなく、新鮮な知見でした。


なおこの映像、クルマバッタが6匹に対してトノサマバッタが1匹だけ紛れ込んでいます。
探してみてくださいね。

正解はこちら
ヒント:頭部・胸部の柄が異なります。